尼崎市立中学体罰 生徒から相談受けた教員2人が校長らに報告せず
毎日新聞 2019/5/29(水) 9:20配信
兵庫県尼崎市立中学の保健体育担当の40代の女性教諭が3年生の男子生徒の顔を平手でたたいた問題で、市教委は28日、男子生徒から体罰を受けたと相談された別の教員2人が校長らに報告をしていなかったことを明らかにした。体罰根絶を稲村和美市長が宣言して2日後に新たな体罰が発生しており、記者会見した松本真教育長は「順法意識に欠けている。報告の体制や認知の仕方を抜本的に改めなければならない」と学校や教員の意識改革を求めた。
市教委によると、23日午後0時半ごろ、運動場で体育大会の組み体操の練習を見学していた男子生徒の顔を女性教諭が平手で1回たたいた。他の生徒と私語をしていたことなどに女性教諭が立腹したという。運動場には他に教員9人がいたが、気づかなかった。
男子生徒は担任の女性教諭と男性臨時講師に体罰を受けたことを相談したが、2人の教員は体罰の事実をいずれも管理職に報告しなかった。男子生徒が帰宅した後の同日夕、保護者から学校に抗議の電話があり、発覚した。
市教委は28日、市内17校の中学校長を集めた臨時校長会を開催。体罰は許されないことや、起きた場合の対応手順などを改めて徹底するよう求めた。
同市では、市立尼崎高校男子バレーボール部で起きた体罰を受け、市教委が来月、全市立学校・幼稚園での体罰について実態調査する。【近藤諭】